冗談半分に楽天フリマでオークションのコツを経験するように言いましたが、たかがバッグや時計でさえ状況を知らない素人によって相場は乱されます。
そして、現在の米国の経済が正にその状態です。FRBのグリーンスパン代表\が根拠無き熱狂と言われて既に5年も経ったのです、凄まじきオーバーシュートと言うしかありません。しかし、こういう中でNO.1メガサプライヤーのデルファイは破綻してしまいました。売上額3兆円、従業員数45000人の会社です。デンソーと似たような物を作っていますが、デンソーより大きな会社だったのです。
米国は一見健康体のように振舞っています。しかし、その実態は1990年の日本に近いのではないでしょうか。価格が3倍になった不動産がバブルではないと思いたい気持ちはわかりますが、私は大衆がオーバーシュートさせた相場以外には思えません。来春グリーンスパン代表\は退職されますが、経済調整の神様が居なくなった時、米国経済は糸の切れた凧になる、私はそう考えています。
そして、中国です。日本にとって長期的に幸いな事に経済がおかしくなって来ました。ここで米国がクシャミをすると中国が風邪をひく事になるでしょう。そして、日本の対中貿易も怪しくなって来ます。そう、内需が回復して好況に沸く日本経済ですが、実はすぐ足元まで浸水して来ているのです。このように、日本では好況ですっかり忘れられた感が有りますが、世界同時不況への突入は刻一刻とカウントダウンされているのです。
好況に浮かれて私の廻りでも新築の自宅を買う人が増えていますが、現在の雇用状況が維持されると思うのは軽率です。おそらく数年後また競売物件が垂直立上りで増加することになるのではないでしょうか、悲劇がまた繰返されるのです。
私は現在やっと楽しい時が来たという気持ちです。この2年間楽天フリマで暇つぶしをして来ましたが、ずーっと世界経済が後退するのを待っていたのです。投資は上げで儲ける人と下げで儲ける人が居るわけですが、バーゲン好きの私はやはり下げで掘出物を拾う方が好きです。景気が上げの時は経済もよくわからないのにテクニカルでちょっと儲けたと言ってはしゃぐ馬鹿が出て来るので厭ですね。まあ、株が一度ドカンと下げたら夜逃げと自殺が急増するでしょう。
先日小3の長男がことわざ辞典を見て『安物買いの銭失い。』の話をしたので、じゃあ、高い物を安く買うのはどうすれば良いんだ、と聞き返しました。もちろんわかる訳が無いわけですが、季節の終わりに高い服をバーゲンで買うのだと言ったら納得していました。高い物を安く買う、こういうアービトラージを基本の思考プロセスにインストールする事は重要です。
しかし、日本経済は夏辺りから急激に良くなって来ました。冗談のような話ですが、楽天フリマでブランド時計の相場が数割上がりました。おかげですっかり落札できなくなってしまったのです。不動産競売の時もそうでしたが、こうやって大衆はいつも相場を乱すのです。ゲームを楽しんでいる私には非常に不快です。
デルファイのミラーCEOはベスレヘム スチールでの成功体験から上手く行くと発言されているようですが、私にはそんなに簡単に行くようには思えません。長引けばGMにも飛び火するだろうし、多くのメガサプライヤーも同じような状況にあります。そして、冷静に考えれば米国で自動車部品を製造するという産業資本主義自体が存在できるのかというところに行き着くのです。
さて、世界同時不況に入るか入らないか。まあ、投資を楽しむ為にこんな事を考えるのは不謹慎でしょうが、我々がどう望もうがなるようにしかならないのです。どのような状況になるにせよ、人生は頭を使って楽しまなければいけません。リスクはしっかりとヘッジしながら挑戦して行きましょう。
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