"非常にわかり易く書いてきたつもりなのですが、まだ時々聞かれるのが、『ところで、まず何をしたら良いのでしょうか?』という質問です。
まあ、種銭を100万円貯めて1戸買う事です。買って経験しないと何も進みません。家賃収入・ローンの支払い・固定資産税等全て初めての経験でしょう。こんな食えないおやじになってしまった私でさえ、1990年不動産を初めて買ったのです。
正直、わけがわからない内は色々無駄な事もやってしまいます、それは仕方が無い事です。最初から上手くやろうと思うより、トライアルのつもりで一度流した方が最終的な収益は大きくなるのではないかと思います。
場所・仕様・利回りは一般論を色々言って来ましたが、私だって場所は正直よくわかりません。その場所の栄枯盛衰はそこに住んでいる人が一番よく知っているのでしょう。ただ、利回りと築年からみると首都圏以外の大都市が良いと私は思います。別にアパマンさんの肩を持つわけでは有りませんが、札幌・仙台・福岡等はそのエリアで一極集中がおきているし、1988年以降の新しい仕様の物も豊富です。
ベテランの方はご存知のようにマンションは築10年以上経つと後はあと何年経っていようがあまり関係ありません。ここで1988年と言ったのは築年というより仕様なのです。1988年以前はちょっと雰囲気が古いなというのが有るのですが、バブル以降はだいたいデザインはよくできています。初心者はこんなところが無難ではないでしょうか。
都内・横浜は割高です。2戸目を考えると利回りは高いところにしないと自由度を下げてしまいます。都内の住宅地の下落が止まったと言われていますが、あれは勝ち組が世田谷のようなブランド地の家を買っているだけです。
しかし、これも贅沢な悩みです。私など当時福岡が1500万円で一番安いので福岡に買いました。これは繰上げ返済もせず放ってあるのですが、ローンが700万円も残っています。馬鹿げた話です。余談ですが、最近第一生命がみずほ信託に債権を売却したのですが、この債権は売却されませんでした。ネガティブエクイティが大きくて不良債権化する可能性が有るからなのでしょうが、バブルの時買った連中の状況はこんなものです。
例えば私がこの物件を売ろうと思えば450万円の売却代金に250万円の自己資金を追加して担保を外さなければいけないのです。250万円払って悪夢を処分するというところでしょうか。
色々難しい事も書いてきましたが、いつかわかる日が来ます。読んだ事は忘れた時が血となり肉となった時だと言った人がいましたがその通りになったように思います。私など過去15年硬い本は読んでいません。本は限界効用が低減してくると新しい内容というのが無くなります。まあ、漱石がお嬢さんに言われたように、良薬口に苦し、良書を読むのは最初は苦しいものです。
私はヤオハンが英国に出展した時よくマーケットをろくに調べもせずに進出したものだと思ったものですが、案の上潰れてしまいました。ユニクロも英国に進出したり、野菜を売ったり変な事をしていると思っていましたが、日経ビジネスで柳井さんの記事を読んで、ユニクロの業績が回復してきた理由がよくわかりました。
ジャガーとフォードコスワースがF1を撤退すると話題になっている一方で、楽天がプロ野球に進出すると発表されました。堤義明さんの事を悪く言う人もいますが、私は経営の神様である事に間違い無いと思います。いずれ、神様がその価値を高める結果になると思います。神様は伊達に神様ではありません、Jリーグとのカニバリ、人口の減少や所得の減少に伴う総需要の減少とか、きっとかなりのシミュレーションをされたのではないかと思います。
経済的な出来事は、裏読み先読みといった思考力のトレーニングで予測能力を向上させてください。ある日突然、世界が見えて来ます。ほとんどの人は多くを知る事無く一生を送ってしまうのですが、それでは人間としてちょっと寂しいように思います。"
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