"犬に詳しい人はご存知だと思いますが、英国にはシープドッグのコンテストというのが有ります。これは、他の犬の容姿を主体とした品評会とは異なりいかに主人の命令に従い羊の群れをマネージできるかを競う競技です。これを見ていると、なぜ彼らが犬をベストフレンド呼ぶかよくわかるような気がしてきます。
なぜこんな話をするかというと、西洋の経営スタイルというのがどうもこのあたりを起源にしているように感じるからです。つまり、資本:人間、経営者:シープドッグ、従業員:羊というわけです。重要なのは、この3種類の役者は全く異質の存在という事です。
これに対し、私は日本の組織は猿山がイメージ的に一番近いのではないかと思います。ボス猿:資本、雌猿:経営者〜従業員、という感じです。資本は持合で経営との境が曖昧で、従業員は新人からこつこつとヒエラルキーを登って行き、経営者と従業員も突き詰めれば同質という事です。
どちらが良いとか言い始めたらきりはないのでしょうが、流れとして西洋的な方向に向かっているという事に間違いはないでしょう。という事は、これから羊は羊という事です。もちろんマツダの重役だったマーチン リーチのようにカートのドライバーから欧州フォードの社長になるというような例外も西洋社会にもないわけではありませんが、そのマツダが役員コースを作ったのですから外資の影響の有るところはいち早くそうなる事でしょう。
私は皆さんにまだMBAに行ける機会が有るのなら、行ってシープドッグになるように薦めたいと思います。おそらくそれはそれでやりがいの有る人生が歩める事だと思います。しかし、私自身そうであるように多くの人にはその知的能力と根性が無いでしょう。
残念ですが、犬になれない人は人間になるか、羊になるかしかありません。皆さんはまさかここで私が人間になれと言うとは思わなかったでしょう。そういう考えが自分の可能性を潰しているのです。そう、何もしなければ羊にはなるのですから、人間:資本家or投資家になるしか羊にならない方法は無いのです。
現実にまだ多くの知人は過労死ギリギリのところで頑張っています。キヨサキさんはラットレースと呼ばれていますが、どんぐりの背比べのような羊の競争では、最終的に競争は残業時間の競争になります。こういう愚者の戦略に嵌るのは残念ながらシープドッグになれない羊の宿命でしょう。そして、羊として勝ち抜いてもそれは羊の勝ちであって、シープドッグや人間に対し成果は大きく劣ったものになります。なんという悲劇でしょうか。
おそらく、皆さんはこれを読んで羊の競争をやっているなあと感じられるでしょう。この競争は出ようという意識が無いと出る事はできません、このままでは明るい未来が無いと気付いてほしいと思います。
私は民主党の路上生活者のいない社会というのを読んで苦笑してしまいました。まるで、パンが無ければお菓子を食べれば良いと言ったマリー アントワネットではないですか。下々の置かれた状態というのが全くわかっていません。まあ、現実の話として富裕層に庶民の事をわかれというのも無理な話でしょうが、突き詰めれば政治家の一族を富裕層にした国民に責任が有るのです。
なにせ、日本フォードで働いた事があるという英人に日本は政治家が儲かるんだってねと言われた時は思わず笑ってしまいました。ちなみに英国は市長や議員は無報酬で有名です。日本も収入を半分くらいにしてしまえば良いのです。おそらく世襲する人は激減するでしょう。
道天地将法、アテネ オリンピックでは天の利、地の利が日本に有利に働きました。私が昔、夏休みギリシアに行くと言った時、英人はクレージーだと言ったものです。戦う時は、道天地将法これを見極めないと勝てない戦いをしてしまう事になるとあらためて感じた今年の夏でした。
しかし、ファームに住んでいたボブが近所の農家の子羊がいつのまにか消えると苦笑していましたが、まだ、ラムにされないだけ人間は幸せなのでしょうか。 "
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