"英国の家の広告が面白いのは築年、敷地面積、建坪等全く掲載されていないことです。場所は当然有りますが、ベッドルームの数と特徴しか掲載されておりません。確かにレンガとブロックでできているので築年が関係無いと言われればそのとうりですが、長い年月の間に積み重ねられた価値観というのは意外と違うものだということを知る事ができました。敷地面積の記載が無いのはどの家にも十分なフロントガーデンとリアガーデンがあるためと思われました。一般に歩道から玄関まで5m程度のフロントガーデンがあります。リアガーデンはなんと奥行きが10m以上あります。日本であればもう1軒建っているでしょう。もう庭作りが好きな人にはたまらない魅力です。私自身、自分の家なので林檎・洋梨・さくらんぼ等のフルーツやバラを植えたり池を掘ったり、ガーデンファーニチャーのためのベースを作ったりと結構楽しむことができました。借家住まいだとこういうことはできなかったでしょう。この庭はイングリッシュガーデンの日本的アレンジで結構英人にも好評でした。
当然ですが、私は前述のようにとても投資の条件が恵まれているので英国で不動産拡大プランを作成しました、しかし、これは妻の反対で頓挫しました。日本での借金を考えると反対を押し切ってまで進めることはできませんでした。しかし、私が帰国してから価格が倍になったと言われると運が無いなあと寂しい気持ちはします。
私は、日本の自宅を前述のローンの資金繋ぎのためにリロケーションに出していたため日本に帰ってからは家族が所有する逗子マリーナに入りました。海辺の生活は英国での湖畔の生活に通じるものがありました。しかし、なによりも良かったのは不動産にとって場所の重要性を再認識できたことです。ここで私は日本の不動産のリストラクチャリングとして40代の戦略にまとめたように、10年後債務と資産が均衡できるような策を考えました。幸いにも英国での貯蓄、リロケーションからの家賃、変動金利ローンの返済額の減額等の条件が揃ったことで約1年で達成できました。
私は次に資産拡大のために攻めに転じることを考えました。前述の逗子マリーナはバブル時は投資の対象になりましたが既に所有者の高齢化と施設全体の老朽化が進み現在の富裕層のリゾートとしての期待に答えられるようなものではありませんでした。しかし、一般人向けの賃貸住宅としてはまだ優位性があると分析しました。この分析はあたっていました、鎌倉に近いわりには安いということで我々以外にも徐々に人が住み始めておりました。私は今後どんどん一般住宅化が進むものの、賃貸物件としての投資には魅力があると思いました。そういうことで1戸買い増ししました。私はこれによりバブル時の資産の時価評価額を回復することができました。これは、自分の投資生活にとって大きな区切りになりました。
次に考えたのが生活水準の回復です、マルコー倒産のおかげで私の臥薪嘗胆に付き合ってきた妻に楽をさせなければいけないと考えました。私はスキーのために木島平にリゾートマンションを持っておりましたが、これは全く実用的ではありませんでした。そこで今回は山中湖にリゾートマンションを購入しました。さすがにバブルの頂点の時代にできたリゾートマンションは外観から内装の素材まで厳選されたすばらしいものです。年数回しか使いませんが、この高品質感は気持ちの良いものです。その後厚木に戻ってからリゾートマンションは横須賀の秋谷にも購入しました。このエリヤの海は自然も残っており、最近近場で私と家族の最もお気に入りのエリアになっております。小川をフグが泳いでいるなんて信じて頂けるでしょうか。
このように私は投資マンションとリゾートマンションを取り混ぜながら購入しております、リゾートマンションは収益から見ると全く無駄なのですが、これが不動産投資に対して妻の理解を得る方法と思っています。投資マンションだけ購入していたのでは生活に変化がでないので人生を楽しんでいると言えなくなってしまうからです。
いずれにしても皆さん、失敗でくよくよしていてもはじまりません、失敗からは何が悪かったのか、何を改善すれば良いのか学べば良いのです。最初から鋼(はがね)の鉄はありません、人間は失敗により成長できるのです。皆さんも叩かれて叩かれて名刀のような鋼になって頂きたいと思います。さあ、初心を思い出して投資の再構築をはかりましょう。"
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