不動産投資コラム マンション投資の鉄人

マンション投資の鉄人

第二十五の鉄人   鳥取県在住 T.T.

U.今後の展開を考える 私のマンション投資の20年(19)「住み心地」は「現場主義」から

4 の「住み心地」と「現場主義」についてです。

飲食業でも、不動産賃貸経営でもお金を落として頂けるお客様がいらっしゃいます。不動産賃貸経営でお客様は居住者です。その観点から考えてみます。飲食の世界ではセールスは来客数と客単価できまります。来客数はニュートライヤー(新規顧客)と既存顧客で構成されます。月間平均4.5%がニュートライヤー。またなんらかの失望、不満足等でお店から遠ざかる人も4.5%います。逃げない固定客を「ロイヤルカスタマー」と呼びます。商品が他より安いとか、お店が近いからとか、そういったことではなくて、そのお店が好きだから。居心地がいいから、おもてなしがフレンドリーだから、親身になってくれるから。だからここでなきゃダメというお客様です。最高の店舗体験をしてもらいます。お客様の来店。居住者こそお客様です。とても大切なお客様です。居住者に「ロイヤルカスタマー」になって頂かなければなりません。

賃貸経営ではセールスは居住者からいただきます。多くの物件があるなかで、自分の物件を選んでくださった、ありがたいお客様です。住んで頂く以上は満足して住んで頂けるようにしなければなりません。満足していらっしゃれば長く住んでいただけると思います。本当にどうしようもない退去理由以外での退去はなくなると思います。リテンション。「維持」=「住み続けて頂く」=「退去をなくす」ということにつながっていきます。

居住者にとって入居後の居心地の良さとはなんなのでしょうか?本来なら期待を超える感動体験なのでしょうが、「あ、この部屋いいよね!」といった感動は内覧以外ではそれをずっと感じて頂くことはなかなか難しいことだと思います。お部屋はその方のライフスタイルの主役でなく脇役だと思います。また、脇役に徹するべきだと思いますし、居住者の方もそこまでは望んでいらっしゃらないと思います。「居心地の良さ」は、そこで生活していてなにも問題が起こらないことだと思います。しかし、もしひとたび問題が持ち上がれば早く対処してもらえる環境であるかどうかだと思います。

対応ということでポイントになるのは以下の人たちではないでしょうか。

・管理員さん
・賃貸管理会社の担当者
・建物管理会社の担当者と組合役員(理事長)

居住者がもっとも日頃顔を会わせるのは管理員さんです。簡単な依頼事などはだいたい管理員さんに頼みます。管理員さんの人柄はとても重要です。笑顔で挨拶をされる。しっかりと清掃されている。居住者からの苦情、要望に迅速に応えている。必要なときは速やかに、管理会社の担当者に伝えている。などが必要かと思います。私たちオーナーで大切なのは、自分の区分所有するマンションの管理員さんと日頃少しでも会話し、覚えてもらっておくということが大切だと思います。

「〇〇号室の所有者のTさん」ということで知っておいていただければ、様々なケースでよく対応して頂けると思います。札幌に行き、マンションを訪ねると必ず管理員さんと話をし、名前を覚えます。管理員さんが常駐されないところもありますが、そういった機械式遠隔管理のところ以外のマンションではそうしています。

管理員さんに聞く話は有益です。マンションの大まかな居住者層、意識、モラル、や管理会社の関与の濃淡、良し悪しが見えてきて楽しいものがあります。もちろん話されるのは守秘義務の範囲内での話です(笑)

管理員さんはみなさん高齢ですが、とても礼儀正しく、物知りで、現役サラリーマンの頃はそうとう高い役職だったのだろうなというような方が物腰柔らかく話をしてくださいます。まさに人生の先輩です。国家資格の管理員検定に合格された方もいらっしゃいます。チャレンジ姿勢も教えて頂いています。また中には、現役サラリーマンのころは私の実家の鳥取の方にもよく出張に来られたということで、逆に鳥取の地元の人が知らないようなことを教えられたりもしました。さらに、中には定年を迎えても居住者(組合員)から気に入られ延長の雇用契約を結んでもらわれた管理員さんもいらっしゃいます。人柄ですよね。大事なのはなんでも。

さて、マンションは劣化します。設備機器も不具合を起したり壊れたりもします。居住者はオーナーに家賃を払い、完全な状態の部屋に住む権利があります。オーナーはその環境を作りださなければなりません。最高の住環境を提供する義務があります。そして自分でなんとかできる部分と、自分だけではどうしようもない問題があります。賃貸管理会社の担当者に協力して頂いたり、管理組合で取り組まなければならない問題もあります。

以下のような問題にはよく遭遇します。

<建物に関すること>
・部屋内の設備機器の不具合
・ハトの糞害
・結露

<居住者モラルに関すること>
・マンションの音問題
・タバコのポイ捨て 
・ペットの鳴き声や臭い、糞の苦情
・ゴミ問題

これらがあると、何も問題なく住めるとかいうことにおいて、居心地の良さを提供できているとは言えません。それどころか、対応がまったくなされなかったり、話が通ってなかったり、改善に時間がかかったりしていると、「え、なんで?」という疑問がわきます。疑問は不安になり、不安が不満になり、不満が退去につながります。「もう、めんどうだからいいや。引っ越そう。」ということにもなりかねません。こうしたことこそ一番避けなければならないことだと思います。

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