そのマンション投資ですが、マンション投資は経営です。経営は商売ですから「増収・増益」を考えなければなりません。
「増収」はお金を生み出してくれる物件の獲得。「増益」はコストコントロール。利益の適正化。短期ではなく長期を視野に、それぞれの物件の利益体質を良くしておくことだと思います。私は今やっておかなければならないのは、「増収」ではなく、「利益体質の改善、適正化」だと思っています。
不動産投資で言うなら、持ち物件数を増やす時ではないと思います。利益体質を向上させるというふうに方向を定めるべきだと思うのです。ローンを持っていたらなおさらです。物件価格が上がってしまった今、マンションは買うべきではないと思います。
「アベノミクスバブル」というようです。利回りを見ると6%前後。物件価格はかなりの高値です。それでも、「2020年に向けてもっと高くなるから今のうちに・・・」という考えもあると思いますが、高値で買って、さらに高値で買って、どんどん上がっていって誰の時に登ってきているハシゴを外されるか、です。
バブル期がそうでした。私はバブル期にはまだ不動産投資を始めていませんでしたが、私が最初に勝った川崎の中古物件。当時はキャピタルゲイン(転売しての売買差益)狙いの投資だったようですから、毎月のようにどんどん値が吊り上がっていったということです。買おうと思っている人は焦りますよね。川崎の17uワンルームを新築3500万で買った人が、その人を最後にハシゴが外された。その人がさらに転売で高値で売ろうとしても誰も買う人がいなくなったのです。残ったのは多額の借金と毎月のローン支払い。そして自己破産。それがバブルでした。
ちなみに、登記簿の乙(権利関係)欄にそのあたりのドラマが記されています。不動産の登記簿謄本は誰でも見ることができます。土地と建物それぞれで、所有権と権利関係が記されています。その物件の所有権は誰にあり、抵当権や、どこにいくら借りているか分かります。個人情報はどうなの?という声もありそうですが、それよりも国が法律で不動産売買の透明性を担保しているのです。
今買うと高値掴みになります。それでも海外に比べれば、私たちから見れば高い日本の不動産は「安い」と言われています。しかし、その安さは今後の供給過多で空室発生、家賃下落等による収益の悪化で、「高い買い物をしたと言われるようになるでしょう。彼らは売ってきます。物件が市場に出回りだします。すると物件価格は下がってきます。「安値買い」「安値掴み」できるようになります。投資はそこに尽きます。ごく当然のことと思います。
「じゃあ、今は売るのに良いタイミングだよね。今は高く売れるんだし」・・・ そうとは言えません。売ってしまえばその時は確かに高く売れるが、買い替えでもっといいものを買おうと思っても、今はその高く売れたマンションと同様に買うマンションも高いのです。モノも不足しています。そうそう良いものはすぐに見つかりません。だから買えません。
妥協して買えば採算が合いません。さらに重要なのは、売った時点で月々入ってきていた家賃(収益)が途切れるわけです。もう入ってきません。次の物件を所有するまではそうなります。次の物件はそう簡単には見つかりません。
だから今はじっと我慢です。必ず安くなります。経済不安。その瞬間はすぐ目の前に迫ってきているかも知れません。今6%くらいの利回りが、再び10%を超えてきます。物件は売れないなら値を下げるしかないのです。今はこらえて種銭を蓄える。値段が落ちてきたとき勝負でしょうね。私はそう考えています。
しかし、だれでもそうかというと別のやり方もあると思います。空室や賃貸の運営コストが高くて損失を出している赤字の物件は売るべきでしょう。持っているだけで赤なら。今は高く買ってもらえるのだから。また、まとまったお金がある人ならキャッシュで購入しておいて「将来買う」ということ前提で、将来購入すべきときの共同担保用として物件を増やしておくのもありだと思いますし、そうでない私のようなお金のない者は、将来の買うべき時に現金購入かもしくは借入しやすいようにローンを無くして身をきれいにしておいて、個々の物件の利益体質を上げておくことが良いのではないかと思います。
複数所有しているなら、その一つ一つが黒字物件で自力歩行してくれる状態が理想です。「全体で黒字ならいいのでは」、と考えるのではなく、赤字を出して全体の足を引っ張る物件をなくしておくということです。「売るか、改善するか(黒字化するか)」です。改善の余地がないと見切りをつけたなら、早い段階で切る!ということです。売却です。私も所有する2物件で決断を迫られています。
アパマンプラザには「賃貸不動産経営管理士」資格をお持ちの方の他、多様なキャリアをお持ちの方々がいらっしゃいます。気軽に相談してみられたらいかがでしょうか。ちなみに「賃貸不動産経営管理士」というのは、オーナーの相談に基づき、プロの目から文字通りオーナーの不動産の賃貸経営を診断し、適切な助言、サポート等を行います。それにより、オーナーも賃貸管理会社もお互いがWin−Winの関係を構築するのが目的です。
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