不動産投資コラム マンション投資の鉄人

マンション投資の鉄人

第九の鉄人   神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント) 

入れ物より中味。:子々孫々の未来はあなたの掌中にある。

4月に長男が小学4年生になるのですが、親が一流大学卒の同級生の家庭の多くは早くも進学の準備を始めました。DNAとこの特別の教育によって実際にこの子供達が一流大学に合格する確率は大幅に向上するでしょう。このように現在、アッパーミドルにおいて卒業大学はもはや完全に再生産段階に入っています。



一方、ようやくマスメディアにおいて日本社会の階層化の問題が語られるようになって来ましたが、完全にピンボケです。何度も言ってきたように何十年も前から西洋ではワーキングクラスは一生ベアアップ無しの年収200万円で、日本ではそれが派遣社員という形で実現されているだけの事です。ちなみに、西洋ではこのクラスは1人では暮らして行けないので結婚あるいは同棲をするのです。年収200万円だから結婚できないのではなく、結婚して共働きで世帯年収を上げるのです。という事でワーキングクラスというのはグローバル では空気のように当たり前の存在です。この層の賃金を改善しようなんて馬鹿げた事です。それどころかお隣の中国ではこの1/10なのです。

結局、子供の時勉強しなかった事はこういう形で結論をむかえるのです。ただ前述の例のように、これは彼らだけの責任でもありません。大人達が再生産を駆動していると言えなくもありません。



このように社会の階層は着実に形成されつつあるわけですが、まだ完全に顕在化していません。引篭もりだのニートにしたところでまだ親の保護下にあるから話題になるのであって、十年後に親の世代が死んでしまったら悲惨過ぎてニュースにならないでしょう。現在独居老人の孤独死がニュースとして好まれないのと同じです。そう、ニュースというのは視聴者の興味を意識しているので社会の実態から非常にバイアスしています。



さて、皆さんにとって重要なのは、一流大学・一流企業を目指していればそれで万事良いのかという事です。要するに一流大学を出た親の世代が現在社会で成功しているかです。何度も言って来ましたが、残念ながらこれが成功していないのです。つまり、この方法ではこれからの社会の競争に勝算はあまり無いのです。もはや、卒業大学だとか勤務先だとかといった入れ物の時代ではないのです。中味の人間本体がどういう能力が有って何をしているかという事なのです。中味の人間がWinであって始めて会社とWin-Winの関係が作れるのです。



高卒で地方から集団就職した団塊の世代は企業での出世が有利に運ぶように子供達を大学にやりました。しかし、その師弟が皆進学した結果、今度は大卒という武器がミドルクラスから上の間での競争においてその効力を失ってしまいました。合成の誤謬というところでしょうか。

しつこいようですが、人間は自分を特別だと思う習癖が有ります。しかし、冷徹に同期で順番をつければ半分は真中から下なのです。つまり、この半分から下に企業における平均レベルの出世は有り得ないのです。そして、この運命を決める人事考課のいい加減さは先日書いた通りです。



階層社会と言っても西洋社会での生活経験の無い皆さんはよくわかっていないようですが、大きな特徴は中抜きです。かつて中流と呼ばれた年収5〜600万円の世帯が激減します。このクレパスがより階層を際立たせるのです。後10年もすれば実感できるようになるでしょうが、一旦下に落ちると子々孫々このクレパスを超える事は前述の再生産の構造故に容易ではないのです。本当はここが問題なのです。



現在のそこそこの収入に満足し、分不相応な家や車を買っている時ではないのです。戦国時代だという認識を持ち世帯の富国強兵をはからない限り次の不況でホワイトカラーの削減ともなれば、子々孫々下層の生活を強いられる事になるのです。これは誇張ではありません、既に私の中ではかなり鮮明な映像となって来ました。



不動産投資というのは、場合によってはファミリーの存亡を握る鍵になるのです。皆さん本当にこの武器の効力を試そうとされないのが不思議でなりませんが、財を浪費し繁栄を続けた国やファミリーが無い事は歴史が証明しているのです。

GHQの財閥解体・農地改革以来の社会構造の変化なのですが、漸進的な変化なので皆さん気付かれないようですね。

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