不動産投資コラム マンション投資の鉄人

マンション投資の鉄人

第九の鉄人   神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント)

"為替の魔法がとける時、円は金から銅になる。 : 自動車こけたら皆こける。"

"英国にいる時、コスモス ツーラマという欧州の旅行会社のツアーをよく利用しました。格好をつけている訳ではありません、日系の旅行会社の約半額だったというだけの理由です。

1週間でフランス〜イタリアを廻る一人10万円くらいの欧州人にしてみれば庶民のツアーなのですが、時々インドネシアとかインドから来られている年配の夫婦に出会いました。アジア人同士の親近感というのが有って、よく話かけられるのですが、こんな高級なツアーに参加できて一生の思い出になると皆さん言われていました。

しかし、そういう彼らも実は本国では社会的地位が高く富裕層でもかなり上の方の人達なのです。おそらく円では一人10万円でも彼らの通貨からみると一人100万円以上の価格の旅行だったのだと思います。


為替レートというのは本当に魔法です。私が円高に貢献したわけではないのに、円が強いというだけで、弱い通貨の国の人達に対し購買力で圧倒的に優位に立てたのです。正直1ドル=80円の時はなにもかもが格安でたまりませんでした。ハロッズセールで高級品と言われる物を買い漁るのが楽しかった事、日本からわざわざ買い物に来る人達の気持ちがよくわかりました。


私より20歳くらい年上の人の家に行くと小さなウエッジウッドが小奇麗に飾ってあります。1ドル=360円の頃海外におられた方にとっては小物でさえ高級品なのです。私の実家には色々な色のユーランダーのティーポットでさえ飾る場所が無くて床にごろごろしています。10年前まで数十万円していても単に為替レートだけで円での価格は1/5になってしまうのです。


問題はその為替です。為替の決定要因は期待収益だとか購買力だとか色々言われますが、そういう話は一流国同士の話です、日本が経済プレゼンスを低下させて行けば、おそらく自動車の価格競争力が最後の砦になるでしょう。円安はビッグ3にとって許す事のできない事です。しかし、日本の自動車が価格競争力を失った時、円安を防ぐものはもうありません。なんと恐ろしい話ではないでしょうか、輸入品の価格はどんどん上がるでしょう。


90年代前半ヘッジファンドはニュージーランドのキウイを皮切りに過大評価されている通貨を売り浴びせ暴落させました。ポンドの攻防は有名ですが、結局2割下がってラモント蔵相は辞職されました。この事実も既に風化しています、後7〜8年経てば20年になります。だいたい20年経つと次の世代が同じ事をやります。日本が標的にならない事を祈るばかりです。


実は、世界の不動産価格を調べればわかりますが、日本は既に不動産価格では2流国です。都内に3000万円代でマンションが買えると喜んでいるどころではないのです。現在の為替レートで既に2流なのです、不動産という資産が既に劣化の兆候を示しているのです。

私自身まだ経済大国という意識が有ります。GDPの額と過去の勢いという意味でまだこれは事実です。しかし、将来性という視点では既に世界の日本に対する国際認識は2流です。未来のコンペティターとして眼中にありません、刹那的に高級品を買ってくれるファーイーストの斜陽の国に過ぎないのです。


過去、1流の経済大国の国民と言うだけで2流(中流)の社会的地位でもその恩恵にあずかれました。弱い通貨の国からどんどん物が安く買えたからです。海外旅行も同様です、国内旅行よりも海外旅行の方が安いなんて猫も杓子も海外に行けた事がその証明です。しかし、円が2流になるとそうは行きません。これからは日本で勝っても先程のインドネシアとかインドの富裕層のような立場になってしまうのです。ましてや、2流X2流ではグローバルでは2軍にも入れないのです。


ほとんどの方は過去の慣性で経済大国の余韻に浸っています。しかし、それは売り食いする地主のようなものです。下りのエスカレーターに乗っているいじょう、下がる以上に上がらないとグローバルでは下がっているのです。

数%の未来の勝ち組の皆さん、少なくともグローバルに遊び廻れるくらいの財は築こうではありませんか。一回の海外旅行が一生の思い出なんて寂しい事を言うのはやめましょう。ちなみにコスモス ツーラマには1ヶ月欧州一周なんてツアーも有ります。できれば毎年ゆっくりと1ヶ月欧州を旅したいと思いませんか。


では、ツーラマで会いましょう。
"

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