プロローグ
"不動産投資に当たっては、購入物件の選定についてのノウハウは、よく聞きますが、その後の、空室対策については、余り聞く機会が少ないようです。 そこで、今回は、経験も踏まえて、空室リスク軽減について、多少なりとも、お役に立てればと思い、筆(キーボード?)をとりました。 取り敢えず、今回は、全般論に渡って整理してみましたが、別途、機会がありましたら、夫々、詳しく、述べられればと思います。 T.購入時、U.賃貸中、V.賃貸終了時、W.賃貸募集時、X.賃貸募集中、_.その他と、時系列的にまとめてみました。 "
T.購入時
"1.リスク分散 空室時のことも考慮し、小口の物件を分けて所有することにより、リスク分散を図ることが大切です。 都市・路線・駅・地域(住居・商業)、タイプ(単身者用・フアミリー用)、物件施工・販売会社、賃貸管理会社等です。 2.優良物件 (立地、居住用、低賃貸料・低管理委託費等) 空室リスクを減らす為には、何よりも、まず、優良物件を取得することです。物件選定については、それだけで、ポイントがかなりありますが、今回は、その趣旨がメインではありませんので、超重要ポイントのみに絞りますが、 @立地が良いこと A不景気な昨今にあっては、事務所用より、居住用が良いこと B低賃貸料の物件が良いこと C低管理委託費等の物件が良いこと、等があげられます。
3.賃貸料保証契約(サブリース)の活用 多少、利益率は悪くはなりますが、安定収入を得る為には、賃貸料保証契約(サブリース)を利用するという手もあります。但し、札幌においては、その制度を使える業者は少ないです。
4.法人貸し(事務所貸し) 法人貸し(事務所貸し)だと、安定します。特に、その場所で、営業を行っている場合はそうです。私の場合も、長期間に亘って、あんま業を行っておられる方がおられますが、安定しております。但し、名義上、法人貸しであっても、従業員居住用とか、実質、個人営業で、居住用として使われている場合には、安定しておりませんので、注意が必要です。 5.フアミリー貸し 狭目の単身者用物件と異なり、広めのフアミリー用物件だと安定します。但し、利益率は若干、落ちますが。 "
U.賃貸中
"1.メンテナンス 各種設備(給湯器、エアコン、鍵等)が壊れた場合、入居者の立場に立って、早急に、対応してあげることが大切です。 資産価値維持・向上に繋がりますし、何よりも、出られて、空室になるよりは、ましです。
2.クレーム対応 近所に、うるさい人がいる等の場合、所有者として、賃貸管理会社・物件管理会社、管理組合、そのうるさい部屋の居住者・所有者等に、その旨を伝え、対処してもらうことも必要です。
3.更新 更新時には、賃貸料値上げ、更新料(慣習上、札幌はありません。)等、余り、欲張らないで、現状維持ならましだと思うことです。むしろ、値下要求がきたなら、できるだけ、対応してあげる位の気持ち・誠意も必要です。
V.賃貸終了時
1.退去理由 退去理由は、参考迄に、賃貸管理会社に確認してもらうことです。転勤等、止むを得ない理由ならともかく、設備等、物件上の問題であるならば、今後の反省材料として、改善に努めることが大切です。勿論、立地、環境、広さ等、どうしようもない問題点もありますが。(部屋を、便利の良い場所に動かせたり、広くしたりはできませんものね。)
2.リフオーム きちんとリフオームして、賃貸に出すことです。 資産価値アップにも繋がりますし、費用は、原則、経費で落とせます。第一印象が大切で、長期間、空室になっては、元も子もありません。 3.迅速な賃貸募集 賃貸借契約解約予告は、通常、1ケ月間以上前となっております。従い、賃貸管理会社から、その旨の連絡があった場合、即座に、次回賃貸募集の条件を伝え、賃貸募集をかけてもらうことです。中には、前入居者居住中で、部屋が見れない場合でも、入居予約が入り、ブランクがほとんど発生しないことも有り得ます。 (札幌第一パークハイツ、カサウイスタリア等は、入居者順番待ちの人気物件です。)
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W.賃貸募集時
"1.低賃貸料(賃貸料・礼金・敷金)(他物件) 募集時には、他競合マンション、同一マンションの他部屋等の賃貸料、特に、現在、入居募集中のものの賃貸料を参考にし、それらよりも、低価格の好条件にすることが、早く、入居を決めるコツです。
2.条件(事務所、楽器) 管理規約に反しない範囲内で、事務所利用、ペット可、楽器可等、入居者可能性のパイを広げることです。
3.専任・プッシュ 賃貸管理会社に任せたとは言え、電話、電子メール等で、まめに、プッシュすることが大切です。うるさいと思われる位で、丁度良いかも知れません。私の場合も、社長以下各担当者に、毎日、電話攻勢をかけ、「加籐コール」と呼ばれて、恐れられていたとのことです。
4.募集(レインズ、本、インターネット、掲示板、看板、ビラ(同一マンション・近隣マンション・近隣社宅))レインズ、本、インターネット、掲示板、看板、ビラ(同一マンション・近隣マンション・近隣社宅)等、あらゆる手段を講じて、募集攻勢をかけることが、何よりも、大切なことです。金持ちは、インターネットを見ても、貧乏人は、見ないことも有り得ますので、立看板等も有効です。
5.自分で行動(建物管理会社・販売会社、旧所有者、知人) 賃貸管理会社に任せ切りでは駄目で、自分自身の問題として、自分からも動かなければ駄目です。建物管理会社・販売会社、旧所有者、知人等に聞いてみたりしてみます。私の場合も、建物管理会社から、入居希望情報が来たこともあります。又、知人にその旨、言っておいたところ、その知人の知人が入居希望ということで、見事、決まったこともあります。 私も、「宅地建物取引主任者」等資格は保有しており、ある程度のノウハウはありますが、手間暇・確実性・公正性を考慮し又、なまじ、知人の知人ということで、やりづらい点もありましたので、第三者を介した方が良いと思い、業者を介しました。(その業者も、私の方が早く、入居者付けをしたことに鑑み、手数料は通常、賃貸料1ケ月分のところ、半分しか要求してきませんでした。)尚、「専属専任媒介契約」の場合、自己取引も不可、「専任媒介契約」の場合、他業者取引は不可、「一般媒介契約」のみ、全て可となっております。
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X.賃貸募集中
"1.値下要請 値下要請には、ある程度、考慮してあげることです。できれば、例月の賃貸料よりも、一度きりの礼金(慣習上、札幌はありませんが。)、原則、返金義務のある敷金等で、考慮することも一考の価値があります。
2.条件 事務所利用、楽器(ピアノ)演奏、共同賃借等、色々な要望が来ることもありますが、管理規約に反しない範囲内で、なるべく、対応してあげることです。管理規約は、事前に、整備しておくことも重要です。
3.協力(駐車場等) 駐車場希望等の場合、近くの駐車場を探してあげる位のサービス精神も重要です。(その義務はありませんが。)
_.その他
1.不動産ノウハウ 売買・賃貸・管理等、不動産販売・賃貸管理・建物管理会社に任せ切りにするのではなく、自分自身に不動産全般に亘って、ある程度のノウハウを蓄積することも大切です。そうすることで、他社とも、対等に、交渉することも可能になります。
私の場合も、「行政書士」、「宅地建物取引主任者」、「甲種防火管理者」、「上級救急救命」等、資格を取得しましたが、更に、「管理業務主任者」・「マンション管理士」、「司法書士」等の勉強もしております。 それでは、皆さん、頑張りましょう!!
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