不動産用語集


不動産用語集
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催告の抗弁権

 【さいこくのこうべんけん】

 債権者が保証人に保証債務の履行を請求してきた場合には、保証人は「先に主債務者に対して債務の履行を催告せよ」と債権者に主張することができる。これを催告の抗弁権という(民法第452条)。

例えばAがBから100万円の借金をし、Aの友人であるCがその借金の保証人になったとしよう。このとき債権者Bが、保証人Cに対して100万円の債務を支払うように請求したとする。その際保証人Cは「まず主債務者Aに対して借金返済の督促をせよ」と債権者Bに主張できることになる。

しかしながら、単に督促をするだけでよいのであるから、債権者にとってはこの催告の抗弁権は実際上ほとんど問題とならない。ただし保証人にはより強力な抗弁権として、検索の抗弁権が与えられている(民法第453条)。


財産刑

 【ざいさんけい】

 刑罰のうち、犯人の財産を剥奪する刑罰のこと。「罰金」「科料」「没収」がある。
罰金と科料はともに一定額の金銭を国庫に納付させるという刑罰であり、金額の違いがあるに過ぎない。

罰金は、犯罪ごとに金額が異なるが、「1万円以上」と法定されている(刑法第15条)。
科料は「1,000円以上1万円未満」である(刑法第17条)。

また没収は、主刑(死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料)の言い渡しに伴って、犯人の物の所有権を剥奪して国庫に帰属させる刑罰であり、犯罪によって得た財物や証拠品を没収するものである。


財団法人

 【ざいだんほうじん】

 民法第34条により設立された非営利の法人であって、財産に対して法人格が与えられたもの。財団法人はその財産に着目して法人格が与えられたものであり、社員は財団設立の要素ではない。財団法人の運営は寄附行為にもとづいて理事が行なう。


サイディング

 【さいでぃんぐ】

 建物の外壁に使用する仕上材のこと。木材、セメント板、金属、セラミック等が用いられる。


再売買の予約

 【さいばいばいのよやく】

 いったんAからBへ売却された物を、再びBからAへ売却することを予約すること。

具体的には、ある物をAからBへ売却する時点(第1売買の時点)において、「将来その物をBからAへ売却すること(第2売買)を事前に合意する」という予約を結んでおくのである。こうすることによって第1売買の売り主であるAは、将来その物を取り返すことが可能となる。

再売買の予約は、融資に用いられることが多い。
例えばBがAに2,000万円を融資するとする。融資の担保がA所有の土地(2,000万円相当)であるとする。このとき次のような形で再売買の予約を用いる。
まずAがBに対して、この土地を売る(第1売買)。これによりAは2,000万円を得る(これが金を借りたことに該当する)。そして第1売買の際に「将来AがBに2,000万円を交付するならばBがその土地をAに再び売却する(第2売買)」という予約を結んでおく。

このように第1売買における買い主Bは、土地の所有者となり、同時にBがAに2,000万円を交付する。これは見方を変えれば、Bが土地を担保にとって、Aに2,000万円を貸し付けた、と見ることができる。また予約(Aが土地を取り戻すという予約)に関しては、Aは予約完結権を仮登記することができるとされている。


債務

 【さいむ】

 人がある人に対して給付を履行しなければならないという義務を債務という。


債務不履行

 【さいむふりこう】

 債務者が、その責めに帰すべき事由(故意、過失)によって、債務の本旨に従った履行をしないことをいう(民法415条)。履行期に遅れた履行遅滞、履行することができなくなった履行不能、および履行はしたが十分でなかった不完全履行の3つの態様がある。履行遅滞と不完全履行で、まだ履行の余地のある場合には、裁判、執行によって債務自体の履行の強制もできるが、債権者はこれとともに損害賠償の請求もできる(同条前段)。履行不能または不完全履行で、もはや履行の余地がない場合には、これに代わる損害賠償請求ができる(同条後段)。また双務契約などの場合には、債権者は契約を解除して自己の債務を免れ、もしくは原状回復を図ることができる。


債務不履行

 【さいむふりこう】

 債権と債務との関係において、債務が履行されない状態のことを「債務不履行」という。

例えば、売買契約において、代金を支払ったにもかかわらず、売り主が物件を引き渡さないとき、売り主は引渡し義務を怠っているのだから、売り主に「債務不履行」があると言うことができる。

このような債務不履行に対しては、法律(民法)により、債権者が債務者に対して損害賠償を請求することが可能とされている(民法第415条)。

ただし債務不履行を理由とする損害賠償を請求するには、次の条件を満たすことが必要である。

1)債務者が債務を履行しないこと(履行不能・履行遅滞・不完全履行の3形態がある)
2)債務者に故意または過失があること
3)債務不履行を正当化するような法律上の理由が存在しないこと


債務名義

 【さいむめいぎ】

 債務者に給付義務を強制的に履行させる手続(強制執行)を行なう際に、その前提として必要となる公的機関が作成した文書のことを「債務名義」という。
債務名義には「確定判決」「仮執行宣言付判決」「和解調書」「調停調書」「執行認諾文言付公正証書」「仮執行宣言付支払督促」がある。

また債務名義は強制執行の前提として必要な公的文書であるが、実際に強制執行を行なうには、債務名義に「執行文」が記載されることが必要である。
(ただし「仮執行宣言付支払督促」は執行文なしで強制執行を行なうことができる)


在来工法

 【ざいらいこうほう】

 木造建築物の工法のひとつ。
「在来工法」とは、「伝統工法」を母胎としながら、第二次大戦後の技術革新で新たに生まれた木造建築物の工法である。

この「在来工法」は、「木造軸組工法」「在来軸組工法」「在来木造」「木造軸組」などの様々な呼び方がされるが、その内容は基本的に同じである。

「在来工法」の特徴としては次のことが挙げられる。

1)鉄筋コンクリート製の「布基礎」(連続フーチング基礎)を採用し、土台と布基礎をアンカーボルトで緊結する

2)筋かいを入れて、プレート等で止めつけることにより、軸組全体を安定させる

3)壁材に構造用合板を採用する等により、壁に強度を与える

4)その他、材の接合部(仕口)に多様な金物を用いて、軸組全体を補強する

これらの工夫により構造的に強い木造建築が初めて可能となった。

ちなみに建築基準法では、木造建築物についてさまざまなルールを設けているが、これらのルールの前提として想定されているのはこの「在来工法」である。


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