不動産投資コラム マンション投資の鉄人

マンション投資の鉄人

第二十八の鉄人   神奈川県在住 結喜たろう(一級建築士)

安定・堅実な投資を始めたい、 でも出来ないあなたへ(3)

 今回は「キャッシュフロー」についてです。

 単純に訳せば「お金の流れ」です。しかし、この言葉にはとても深い意味があります。

 古代ギリシアの哲学者ヘラクレイトスは「万物は流転する」という有名な言葉を残しました。例えば、激流であろうと静流であろうと川は川ですが、突き詰めれば、川とは「水の流れ」という現象です。それを社会に置き換えると、お金は水であり、その流れが現象として現れる姿が、さまざまな経済活動ということになります。その活動の中には、当然、不動産投資も含まれるわけです。不動産投資とは賃貸物件の保有だけで終わるものではなく、それによって発生するお金の流れをそのように呼ぶわけです。

 では、あなたが不動産投資をするお金は、どこから来て、どこへ行くのでしょうか?

 この問いの意味をシッカリ抑えられれば、不動産投資は成功します。逆に、ここがいい加減だと確実に失敗します。まだ抽象的でピンと来ないかも知れませんが案外と単純です。

 それではお金の流れを遡り、その水源から見てみましょう。不動産投資を行おうと思った場合、資金を用意しなければなりません。既に手元に豊富な資金を持っていれば、それが水源になります。しかし、資金ゼロもしくは僅かの場合は、なんらかの水源を見つける必要があります。不動産投資を始めるために、お金を作る方法は2つです。

・お金を貯める
・お金を借りる

 「お金を貯める」のは一番リスクが少ないでしょう。前回お話ししたように、札幌の場合は、200〜300万円ほどで優良物件を見つけられますので、勤め人であれば、2年ぐらい頑張ることで、そのくらいのお金は貯められそうです。この方法は一番安全で確実なので、お勧めです。しかし、ここで終わってしまっては、面白くも何ともありません。
そこで、もう1つの「お金を借りる」ですが、ちょっと怖いですね。日本では借金をすることは悪い事というイメージがあります。確かに良いイメージはありません。しかし、わけも分からず借金を勧めているわけでは決してありません。
実は、お金を借りるということは、企業の運転資金から個人の分割ローンに至るまで、誰もが日常で行っていることです。お金を借りるのが悪いことではなく、お金を返せなくなることが悪いのです。そこで「キャッシュフロー」の考え方です。

 借金をして始める不動産投資での「お金の流れ」を図式化しました。

キャッシュフロー図

 この「キャッシュフロー図」は非常に重要です。不動産投資ではゴチャゴチャと色々な言葉が出てきますが、全て上図6つの分類のどれかに入ります。「これは一体なんだろう?」という言葉が出てきたら、上図のどこに入るのかをチェックして下さい。
INは自分のところに入るお金、OUTは出て行くお金です。

 なお、借金をしてまで不動産投資をするべきではないという方(これはこれで立派な考えです)は、1の「借りたお金」は「自己資金」となり、5はありません。また借金が全て返済し終わった場合は、2→3→4→6となります。投資ですからINがOUTを上回っていなければなりません。キャッシュフローでもっとも重要なことを書きます。

【重要】「この図の流れが途切れないようにする」「常にIN > OUT」

 流れが途切れないようにするためには、図式で示した6つの事柄を、1つ1つ潰していくのが最短の道です。不動産投資で失敗している人の殆どは、要するに上図の流れが途切れてしまい、OUTばかりが大きくなっている状態なのです。
 何やら複雑過ぎて、難しいと思われた方も多いかも知れません。でも、それは数学やら物理のような難しさではなく、「日記を毎日ちゃんと付けられるかどうか?」というのに似ています。日記なんて誰でも書けます。でも、それを毎日付けられるかというと如何でしょう。難しく感じませんか? 何故なら根気が続かないからです。不動産投資も似たようなところがあります。
 本来、上図の6つの事柄を潰すこと事態に、たいした難易度はありません。しかし、どこか面倒臭さがあるのは否めません。「まぁいいや」みたいな適当感も出てきます。すると、その部分でお金の流れが水漏れするわけです。
でも、日記を書くことで毎日のお小遣いがもらえ、さらに日記を多く書くほど、もらえる額が増えるのです。慣れてくれば不動産投資でつける“日記”はゾクゾクするほど楽しいものになります。

 それでは、最初の「1.借りたお金」をどうやって調達するかについて考えましょう。

 お金を借りるということは、お金を返さなければなりません。1回でドーンと大きく借りて、あとは、毎月少しずつ返済していくという形が一般的です。当然ながら、借りたお金に対しては利息が発生します。1→5の流れをスムーズにする為には、利息が小さければ小さいほど有利です。
 幸いなことに、現在の日本はゼロ金利政策が長らく続き、条件さえ整えば低金利で金融機関からの資金調達が可能です。さっそく銀行へGOです。

 ・・・でも、ちょっと待って下さい。お金を貸してくれるのは銀行だけではありません。意外に色々あります。それも低金利で借りられれば借りられるほど有利です。

 まず、身内に居ないでしょうか、お金を貸してくれる人。とくにご両親。
 「親の金を当てにするなんてトンでもない!」ごもっとも。この鉄人レポートでは、あらゆる可能性から検討していますので、これは選択肢の1つだとお考え下さい。
 日本では高齢者のタンス預金率が高いそうです。ご両親に聞いてみてください。資産運用に興味はあるけど、そのまま虎の子を寝かせていませんか。そんなお金を不動産投資でうまく運用出来れば、ご両親への親孝行にもなるし、社会資本の流動性にも寄与します。
 ただし、ご両親とはいえ、お金を借りるのですから、キャッシュフロー図を作成し、どのようにしてお金を増やせるのかを、理詰めで説明するのは当然です。この事は、あなた自身の投資戦略を作成することでもあるのです。
 しかし、親を説得できない場合は、「うちの親は頭が古い!」なんて怒ってもいけません。悪いのは信用されないあなたなのです。そこで、親に一番信用される方法をお教えします。実際に自己資金で200〜300万円のものを一戸購入し、それを1年程運用するのです(このお金はどうするか?ですって?それはご自身の貯金から出しましょう。無ければ必死に貯めるしかありません!)。そして、通帳記録からキャッシュフローの様子を全て洗いざらい見せてみましょう。きっと信用されます。

 ところで、もし実家がなんらかの事業を行っている場合は、非常に有利な条件で資金調達を行える場合があります。それは、日本政策金融公庫という公的色合いの強いところからの借り入れです。もともとは政府系金融機関として、幾つかの公庫であったのですが、2008年に統合設立された株式会社です。体力のない中小企業や個人事業主に対して、通常の銀行よりも貸付の敷居を低く有利にしてくれます。数百万円程度であれば、担保や保証人が必要のないプランもあるはずです。
 ただし、投資資金は融資対象外となりますので、あくまで不動産賃貸の大家業として事業拡大を行うという建前が必要です。これは素直に事業計画書を作成して、公庫の担当者と相談するのが一番の近道です。この時、実家事業、あるいはご自身の強みや特技を多少絡めると印象が良くなります。わたしの場合は一級建築士でしたので、建築空間の再生事業というビジネスモデルを作ってみました。

 また、建物と無関係なサービス業でも、賃貸不動産の新しい住環境サービスの提供というビジネスモデルにできます。要は単なる大家業に多少のイロを付けるわけです。ただし、あまりに強引にコジつけるとビジネスとして成立しないと判断される事もありますので、あくまでちょっとしたスパイス程度にしておくと良いでしょう。
公庫相手の細かいノウハウは色々あるのですが、紙面の関係上、それらはまた別の機会にでもお話し出来たらと思います。公庫の仕組みや手順について、詳しくはホームページ(日本政策金融公庫:http://www.jfc.go.jp/)を参照して下さい。

 さて、銀行から借りるという手もあります。銀行から借りるためのノウハウや、細かい手続きなどは、多くの方がサイトや本で紹介しているので、細かくはそれらを参照して頂くとして、ここでは借りる為のポイントだけ書いておきます。
 金融機関が一番嫌うのは、貸したお金を踏み倒されることです。踏み倒されると担当者は、本当に困ることになります。だからこそ取りはぐれが無いよう保証人や担保を付けるわけです。逆に取りはぐれがないと判断されると、驚くほどすんなり貸してくれます。
 つまりお金を借りるための重要なポイントは、「返済不能に陥る不安がない」ということを如何にして、「相手にうまく伝えるか」です。この辺りは借りる相手が、親だろうと公庫だろうと同じ事ですね。お金を借りる際には、この伝える内容を充分吟味した上で、金融機関の門を叩くと良いでしょう。単にお金を借りるという目的の為だけではなく、あなたの投資プランを整理し、より確実なものにしてくれます。

 今回は「資金調達」を中心にキャッシュフローについて書いてみました。何より重要なのは、お金の「IN > OUT」を維持することです。それが逆転して「IN < OUT」となる事態だけは、どうしても避けなければなりません。

 次回は、「IN < OUT」となるのはどういう状況なのか。その辺りの話を賃貸運営に絡めて書いてみたいと思います。


結喜たろう (株)山幸投資事業部代表 一級建築士
モノづくりに興味を覚え大学の建築学科へ進学。設計事務所を経て大学院を修了。独立後は不況の煽りを受け、何度か設計の廃業も考えるが、以前から趣味であった投資が、経営の立て直しに功を奏す。現在、空間建築デザイン業務と並行し、さまざまな投資対象で、ギャンブル的要素を排除した、堅実な資産運用の実践に務めている。著書に『FXで究極の海外投資』、『DVD FXスワップのポートフォリオ運用戦略 上下巻』(いずれもパンローリング)がある。

※『投資戦略フェア エキスポ2013』(日本最大の投資イベント)にて講師を務めます。
日時:2013年3月16日(土)  場所:東京ドームシティ プリズムホール
http://www.tradersshop.com/bin/mainfrm?p=topics/seminar/130316

弊社サイト:究極の投資ツール
http://portstudio.jp/
連載ブログ:スワップ派のためのFXポートフォリオ2
http://portstudio.blog136.fc2.com/

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