不動産投資コラム マンション投資の鉄人

マンション投資の鉄人

第九の鉄人   神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント)

ディザスター プレパレイション。: 経済難民が玉川の河川敷をうめる?

"私が色々な人達から資産に関して聞いて感じるのは本当に自転車操業の家庭が多い事です。団塊の世代が定年を迎え始めるとこれが顕在化する事は間違いありません。おそらく大量の国内難民が玉川の河川敷を埋め尽くすでしょう。定年後の資金の用意ができていない人がどれだけいるかプライバシーに関する事なので正確にはわかりませんが、感触として首都圏に数十万人くらいいるのではないかと思います。もはや彼らを単にホームレスとは呼べません、その数は難民です。1992年のバブル崩壊で人生計画を狂わされ給料でなんとかここまで繋いで来た人達です。まさに資本主義社会の影の部分の象徴となる事でしょう。まあ、自己責任というのはこうして自分で最後の帳尻を合わせなければいけないという事なのでしょう。


しかし、預貯金が無くても、不動産価格がここまで下がらなければ、自宅を担保に融資を受けるリバース モーゲージという手も有りました。しかし、現在自宅にどれほどの価格がつくでしょうか。最近の不動産価格をみると自宅が果たしてポートフォリオの一部と言えるのかどうか怪しくなってきました。5〜6000万円も支払ってきた自宅が2000万円台の市場価格とは皆さん情けないだろうと思います。厚生年金も65歳から支給されるような世帯では自宅を処分しても5年間食いつなげるかどうか疑問です。

一戸建てを買う30代が増えているそうですが、浮かれてはいけません。失業してもそれ以上のものでは有りませんが、自宅のローンが払えなくなって自己破産するとまず普通の人は精神的に立ち直れません。自宅は消費財!絶対にセールスマンの口車に乗って資産なんて考えてはいけません。セールスマンはあなたの人生の失敗の責任を取ってくれません。

まあ、私のような者から見れば、一流企業の従業員や公務員でもない限り30代で3000万円の建売りを買うなど地獄へのパスポートにサインするようなものです。


おそらく、これから10年だらだらとした低迷も終焉し、いよいよ日本は新たな平衡点へ向かって劇的な変化を遂げるでしょう。今お話した団塊の世代の定年という内的な要因と中国を主体とした外的な要因の相乗効果で、もはや避けようにも避けられない構造調整の10年になるはずです。

では、こういう中にあって個人投資家としてどういう手を前もって打つべきでしょうか。


なんてかしこまっても、もはや何の奇策はありません、インフレヘッジと為替ヘッジを執拗にやり抜く事です。インフレヘッジは私が今までも何度も言ってきたので今更説明の必要も無いでしょう。まあ、とはいえ多くのプリミティブな方が金融資産を目減りさせる事は明らかでしょう。一番喜ぶのは借金漬けの政府というところでしょうか。

為替のヘッジは正直難しいと思います。10年前であれば海外の不動産も割安でしたが、以前紹介したように既にかなり割高でうまみの有る投資と言えるようなものではありません。私自身は当面国内の高収益の不動産で廻し増やして、時期を見計らって海外に移転するのがベストではないかと思います。ただ、ニュージーランドさえオーストラリアから不動産を買いに来るビジネスマンが増え、昨年の価格上昇率が22%だったそうですから、為替と不動産価格動向から常に目を離さない事でしょう。


今後、最悪のケースは生活水準の低下した大衆が集団ヒステリーに取りつかれ、’70年代の英国のように野党が政権をとり企業の国有化を進めてしまう事態でしょう。こういう過激な事態になれば企業も富裕層も海外に逃げて、日本が経済的に完全に壊滅する事は間違いありません。民主主義は最悪こういう衆愚政治に陥る恐れが有る事も忘れてはいけません。負け組、負け組と踏みつけているととんでもないしっぺ返しの恐れがあります。


しかし、中国にしても日産にしても優秀なリーダーの効果はてき面です。それに比べて日本丸はまだたこ踊りをしてぐるぐる廻っています。既にコンペティターは順風満帆で走り去ってしまったというのに。

それもまだ良い方かもしれません。そのうちマストが折れて漂流の憂き目に会う可能性が無いわけでは無いのです。そしてそうなれば、ボートピープルのように弱い方から死んで行くという地獄絵が現実となるのですから。


そうだ、何も知らない事を知っていると言ったのはソクラテスだと妻に指摘されてしまいました。『自らを偽ってソフィストの生きる道は無い。』こう言って毒杯をあおがれたそうですが、昔の人は潔いですね。少しくらいは見習わないといけません。
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